本当に嫌なのは残業ですか?


今日は、看護師の方々の転職理由の上位に挙がることも多い「残業」について考えてみたいと思います。

現在、医療現場は全国的に人材不足に悩まされています。一部の人気病院や都市部の病院を除けば、多くの病院では慢性的な看護師不足に陥っています。高齢化の進行により患者数は増え続けるのに対して、少子化に伴い医療サービスの担い手は減少傾向にあるからです。最近では潜在看護師(看護師資格を持っていながら看護業務に従事していない看護師)向け復職支援プログラムの実施なども広まってきているものの、現場ではまだまだ深刻な看護師不足に陥っている病院が多いのが現状です。

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こうした現状の中で、病院の中には看護師の残業が常態化してしまっているところも少なくありません。残業や休日出勤、無理なシフト勤務などにより体力・精神ともにに疲弊してしまい、結果として休職や転職に追い込まれる看護師の方々も非常に多いのが現状です。

残業といえば、基本的にほとんどの方々がネガティブなイメージを持つのではないでしょうか?しかもそれが給料に反映されないサービス残業であればなおさらです。実際に看護師の方々の転職理由としても「残業が多い」「休みとれない」といった働き方に対する不満は常に上位を占めています。

しかし、「残業時間を減らしたい」「休みがもっと欲しい」という理由で転職相談に訪れる看護師の方々の話をよくよく聞いてみると、実はまったく違うことに悩んでいるという方も多くいらっしゃいます。

はじめは「残業時間がもっと少ない職場を紹介してほしい!」と相談しに来た看護師の方でも、話をしていくうちに、今の職場で一番の不満なのは職場の人間関係や仕事内容そのものであることが分かってくるということがあるのです。

例えば、職場の人間関係が険悪な環境であれば、誰でもその環境で長時間働くことには苦痛に感じます。また「仕事内容が自分に合っていない」「やりがいを感じられない」という環境で働いていても、時間がとても長く感じられ、苦痛に感じるものです。

しかしその逆に、職場の人間関係がとても良好で、一緒に働いていてとても楽しいと感じられる仲間であれば、多くの人は残業も厭わず喜んで遅くまで働いてしまったりします。仕事内容も同じで、時間も忘れてのめり込めるほど楽しいと感じている仕事であれば、残業や徹夜も厭わず働いてしまうのが人の常です。

このように、「残業が辛い」「長時間働くのは嫌だ」と感じているそもそもの原因は、実は残業や労働時間そのものではなく、職場の環境や仕事内容など別の理由に起因するケースも多いのです。

看護師に限らず、残業や休日出勤など働き方に対する悩みはどんな職業にも共通する悩みですが、ほとんどの人はこのことをついつい勘違いしてしまいます。自分の好きな仕事であればいつまででも続けられますし、職場の雰囲気がよければ残業が苦にならない、むしろ仲間と一緒に遅くまで頑張って働いている自分に充実感を感じる人も多いのです。

こうした本当の不満を突き詰めずに、いざ残業がほとんどなく定時で帰れるような職場に転職すると、今度は「仕事にやりがいを感じない」「暇すぎて人間関係がウェットで嫌だ」など新たな悩みを抱えることもあります。

「出産や育児に伴って物理的に依然のように長く働くことは難しくなった」など残業をしたくない理由が明確になっている場合は別ですが、若いうちからなんとなく「残業が辛い」「もっと楽な仕事がいい」などと考えて安易に転職してしまうと、どんどんと状況が悪化してしまう可能性があります。

「残業が嫌だ」という理由で転職を考えている方は、ぜひ一度立ち止まって、本当に自分が嫌なのは「残業することなのか」どうかを考えてみることをおすすめします。

もし「仕事内容が自分にぴったり合っていてやりがいが感じられるものだったら?」、「信頼でき、尊敬しあえる仲間と働ける職場だったら?」、残業は逃げたくなるほど嫌なものでしょうか?もしかしたら、あなたはまだ本当に自分に合っていると言える仕事や職場に出会っていないだけかもしれません。ぜひ、「本当に自分が大事にしたいことは何なのか?」をゆっくり考えてみることをおすすめします。

看護師転職サイトのキャリアアドバイザーに相談してみるのもおすすめ

こうした自分の仕事・キャリアに対する価値観や方向性を確かめる作業は、一人ではなかなか難しいという方も多いのではないでしょうか?自分一人で考えていてもどうしても主観的になってしまいがちで、思い込みを取り除くのはそう簡単なことではありません。そこで役に立つのが、看護師転職サイトのキャリアアドバイザーです。

キャリアアドバイザーと対話をすれば、自分が内に秘めている価値観や考え方をしっかりと掘り下げてくれます。客観的な立場から「●●さんにとって本当に大事なのは●●ではないですか?」という問いかけを繰り返されることで、徐々に自分の考えが整理できるようになり、自分にとって本当に大事なものが見えてきます。

実際にキャリアアドバイザーに相談してみて「自分の本当の転職軸が分かった」という方も非常に多くいらっしゃいます。残業に限らず、今の職場環境に何らかの悩みを抱えており、その解決手段として転職を考えている方は、ぜひ一度キャリアアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?